運動会に望遠レンズ付きの一眼レフを持って行こうとしたとき、ふと不安がよぎる——
「浮かないかな?」「ガチすぎるって思われないかな?」
せっかくの晴れ舞台、我が子をきれいに撮りたい気持ちはあるのに、まわりの目が気になってしまう。
この記事は、そんな“ちょっとした恥ずかしさ”を乗り越えた、カメラ好きな親のリアルな記録です。
望遠レンズ、ちょっと恥ずかしいと思ってませんか?
子どもの運動会。
晴れた空の下、色とりどりの帽子をかぶった子どもたちが走り回る姿を、しっかりとカメラに収めたい——そんな気持ちは、親なら誰しも一度は抱くものですよね。
私も例外ではありません。
子どもの成長の節目を、大好きなカメラで残したい。だから、普段から使い慣れている一眼レフに望遠レンズを装着して、準備は万端。充電もOK、メモリーカードも空き容量十分。
……なのに、出発前になって、なんだかモヤモヤした気持ちが湧いてきたんです。
「これ、ちょっと本気すぎない? 浮かないかな?」
特にカメラ好きの人なら分かると思うんですが、望遠レンズってやっぱり“本格派”な雰囲気が出るんですよね。
しかもあれ、見た目がけっこうゴツい(笑)。
レンズが伸びれば伸びるほど、「撮る気満々です!」というオーラがにじみ出てしまう。
それを運動会という場で、たくさんの保護者がいる中で構えるのは、ちょっと気後れしてしまう……そんな心理です。
周りの保護者はどうだろう?
スマホ片手に撮っている人もいれば、コンパクトカメラやミラーレスを軽やかに使っている人もいます。
そういう光景を想像すると、「あれ?自分だけガチすぎるかも?」なんて、心配になってしまうんですよね。
周囲の目を気にしてしまうのは、きっと“目立ちたくない”という気持ちから。
「親バカと思われたらどうしよう」とか、「気合い入りすぎって思われたくない」とか。
でも、そう思ってしまうほど、実は我が子の姿をちゃんと残したいという“想い”がある証拠でもあるんです。
それでも、「恥ずかしいな…どうしようかな」とカメラバッグを手に戸惑った私は、結局そのまま持って行くことにしました。
なぜなら、たった一度しかない今年の運動会を、後悔したくなかったからです。
実際に持って行って感じた“リアル”

いざ、運動会当日。
朝早くから場所取りをして、校庭の端にレジャーシートを広げ、ドキドキしながらカメラを準備します。カバンから取り出した一眼レフと、存在感たっぷりの望遠レンズ。やっぱりちょっと目立つ。でも、「今さらしまうわけにもいかないし…!」と腹をくくって、三脚の代わりに足をしっかり踏ん張り、シャッターを構えました。
最初のうちは、正直ちょっと緊張しました。
周囲の保護者がスマホでパシャパシャと撮っているなか、カメラをのぞく自分の姿が妙に浮いているように思えて。「なんか、周りから見られてる気がする…」「これ、やっぱりやりすぎだったかな?」と不安がよぎります。
でも、数分経つと、不思議とそんな気持ちはスーッと消えていきました。
理由は単純で、「意外と、他にも本気装備の人がけっこういる」ことに気づいたからです。
プロっぽいカメラで撮っているお父さんもいれば、大きなレンズに日よけまで付けたお母さんもいたりして、むしろ“カメラ愛”があふれる保護者たちに刺激を受けるほどでした。
さらに、望遠レンズのすごさを実感する場面も。
我が子の表情、走るフォーム、ゴールの瞬間……そのすべてをズームで鮮明に切り取れる感覚に、「ああ、持ってきてよかった」と心から思ったんです。
後ろの方の席からでも、アップでしっかり追えるのは本当にありがたい。スマホでは絶対に撮れない一枚が、レンズ越しに見えてくる感覚は、やっぱり格別でした。
気づけば、自分がどんな格好で撮っていようと、誰がどう見ていようと、まったく気にならなくなっていました。
それよりも、「この瞬間を逃したくない」「ちゃんと残してあげたい」という気持ちが勝っていたんです。
そのとき思ったこと・気づいたこと

運動会の撮影を通して、いろいろなことに気づかされました。
まず一番に思ったのは、“恥ずかしい”って、ほとんど自分の思い込みだったんだなということ。
当初は「ガチ機材=目立つ」「人にどう思われるか不安」という気持ちが先行していました。でも、実際に現場に立ってみると、他の保護者もそれぞれ自分のスタイルで撮影を楽しんでいたんです。
スマホで連写してるママ、ミラーレスでじっくり構図を決めてるパパ、そして私のように一眼レフ+望遠レンズで真剣にシャッターを切る人。
誰も他人のカメラの種類や装備なんて気にしていない。むしろ、子どもたちの勇姿を撮ることに夢中。
「浮いてるかも…」なんて感じていたのは、自分だけの頭の中で起きていた心配だったんだと実感しました。
そしてもう一つ、強く感じたのが、「ちゃんと残してよかった」という満足感です。
我が子がリレーで走っている真剣な表情、玉入れで満面の笑みを浮かべた瞬間、友達とハイタッチする姿……
そのどれもが、望遠レンズのおかげでしっかりと画角に収まり、記録として残ったことは何よりの収穫でした。
恥ずかしさよりも、「撮れてよかった」という達成感の方が、はるかに大きかったんです。
そして最後に感じたのは、同じように少し気後れしている人、きっと他にもいるんじゃないかということ。
だからこそ、この記事を書く意味があるんだとも思いました。
だから、堂々と撮っていい!

一度でも経験してみると、はっきり分かります。
望遠レンズで運動会を撮ることは、決して恥ずかしいことなんかじゃないということ。
むしろ、我が子の一瞬一瞬を丁寧に、真剣に記録しようとするその姿勢は、とても自然で素敵なことだと思うんです。
カメラが好きだからこそできることだし、撮りたいという気持ちがあるなら、それを引っ込めてしまうのは、もったいない。
「目立つかも」「親バカに見えるかも」なんて、誰かの目を気にしてシャッターを下ろせなかったとしたら、それこそ後悔が残るかもしれません。
実際、運動会の写真はあとから見返す機会が多いし、子どもにとっても宝物になることがある。
小さな頃の自分が全力で走ったり笑ったりしている姿を、クリアな写真で残してあげられるって、すごく価値のあることなんです。
それに、好きなカメラを使って撮影するって、やっぱり楽しいですよね。
望遠レンズを通して見える景色、ピントが合った瞬間の気持ちよさ、シャッターを切る感覚。
それらが「楽しい思い出」として、自分自身の記憶にも残っていく。
だから、もし今この記事を読んでいるあなたが、
「望遠レンズはちょっと浮くかも」「本気っぽくて恥ずかしい」と感じていたとしても、
ぜひ一歩、“好き”の気持ちに素直になって、思いきってシャッターを切ってみてください。
その1枚は、きっと将来、笑って振り返れる大切な思い出になるはずです。
まとめ:恥ずかしさを超えた先にある“宝物”

運動会の日、少しの勇気を出して持っていった望遠レンズ。
「ちょっと浮いてるかも」「目立ちすぎじゃないかな」と思いながらも、実際に構えてみれば、そこには我が子の輝く瞬間がちゃんとあった。
走る姿、笑顔、仲間とのふれあい。
シャッターを切るたびに、「ああ、やっぱり撮ってよかった」と心から思えました。
帰宅後、カメラの画面に映るその姿を見て、“恥ずかしさ”なんてとっくにどこかへ行っていたことに気づいたんです。
そして、その写真を見せたときの子どもの反応。
「これ、すごーい!」「パパ(ママ)、ちゃんと撮ってくれてたんだね!」
その一言で、すべての迷いは報われた気がしました。
写真って、“今”を切り取るものだけど、
実はそれ以上に、“未来の宝物”になるもの。
だからこそ、好きなカメラで、好きなレンズで、堂々と撮っていい。
少し勇気がいるかもしれないけど、
その勇気の先には、思っていた以上に大きな価値が待っているかもしれません。
次の運動会には、ぜひあなたの“好き”を持って行ってください。
きっと、シャッターを押す手の先に、忘れられない1枚が待っています。
ちょっと恥ずかしい。でも、ちょっと勇気を出して、カメラを構えてみてください。
あなたの“好き”が、子どもにとっても、未来の自分にとっても、最高の贈り物になるかもしれません。
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